C3 土橋知幸
この度国連英検特A級2023年第一回試験に合格しました。講師の先生方には本当に感謝申し上げます。気が付けば茅ケ崎方式本校で学び始めてから、途中休学期間もありましたが、干支が一回りするくらいの長い期間お世話になっています。これほど長く続けられたことは、三日坊主常習犯の自分の中では信じがたい画期的なことです。一方で結局語学学習に近道は無いのだなと改めて強く感じました。改めて記録を調べてみたのですが、一次試験の筆記、二次試験の面接、どちらも11回の受験の末の合格というどうにも誇れない内訳でした。最初の受験からおおよそ11年、パンデミックによる試験中止期間を除いても、合格まで約10年といういささか常軌を逸した長い時間を要してしまいました。
初受験当時は実用英検一級に合格した直後で、かつA級にはすでに合格していたので余勢を駆って特A級を受験したのですが、結果は合格点にはるか及ばない一次不合格という厳しい現実。ただこの最初の挫折のおかげで、自分の足りない部分について可視化できたのは収穫でした。それを機に自分の弱点を常に意識しつつ本校のレッスンに臨むようになったと思います。
もう少し具体的に言うと、例えば特A級の筆記試験では受験者の文法知識の盲点を突いてくるような文法問題を解かされるのですが、対策としてLCT (Listening Comprehension Test) の際には単に音を活字に起こせたことでよしとせず、スクリプトをなるべく丁寧に見返して文法上自分の中で納得がいったかどうかの確認を怠らないようにしました(今もしています)。教材の正しい英文を読んだ際、自分の中に文法的な違和感が無いかかどうかを確認する、この作業は自分の文法知識の曖昧な部分を知る上で意外と重要なことではないかと思います。また特A級では小論文の配点がとても大きく、しばしば合否の決め手になるので、対策としてLCTのバックナンバーを大いに活用しました。目的がはっきりしているのでLCTのストックからなるべく国連と関連のありそうなものを使って、全文が完全に頭に入るまで繰り返しテープを聞き込み(この訓練に関してはカセットテープで行うこと、そして歩きながら行うことを強くお勧めします。デジタル機器はピンポイントで聞き返すのに向いていません。そして座ってやると5分以内に確実に眠くなります)、最後に記憶だけで活字に起こす作業を繰り返しました。このトレーニングは頭の中に英作文のためのフレーズをストックするのに大いに役立ちました。このような作業を3年間ぐらい忍耐強く継続して行い(もちろん過去問も解きましたが)、改めて二回目の受験に臨み何とか一次試験はクリアしました。(その後は一回を除き筆記試験はすべて合格できました)
そうなると次はいよいよ二次面接なのですが、二次ではさらに高い壁(あくまでも自分にとってですが)にぶつかりました。国連英検は実用英検と同様、二次面接は三回まで一次免除で受けられるので、三回受ける覚悟でいれば何とかなるのではないかなどと甘い考えで面接に臨んだのですが、結果はすべて不合格。そしてその後も不合格の連続。特A級の面接では国内外の時事から先端技術まで幅広くしかも事前に何を訊かれるか全くわからない上(実用英検のようにテーマを選択することもスピーチを準備する時間も一切ありません)、面接時間も実用英検よりかなり長く、さらに面接官は外務省の元職員だったりするので、会話力がそれなりにあっても不正確な知識で発言すると命取りになりかねません。国連の基礎知識については国連英検の公式参考書があるのですが、最新の時事問題等に関しては国内外どちらについてもできるだけ広く、しかもショートスピーチができるくらいにまとまった形で頭にストックしておく必要があります。
自分の対策としては、やはりここでもLCTのバックナンバーを使った先ほどのトレーニングが再び大変役立ったと思います。これに加えて私が重点的に行ったことは(基本と言えばまさに基本なのですが)、英字新聞の音読です。私の場合は日刊紙と比べると記事の数が絞り込まれているTHE JAPAN TIMESのWEEKEND EDITIONを使用しました。THE NEWYORK TIMESのINTERNATIONAL EDITIONとセットになっているので重要な国内外のニュースを効率的にさらうことができます。万人にお勧めはしませんが、私の場合は創刊(2021年4月)以来の国際面はすべて読みました。ただ大切なのは、読んだことでよしとせず、各々の話題について面接官に訊かれたらどう説明しどのような見解を述べるかを常に意識しながら時にはメモに残すことです。それにより読んだ情報が頭に定着しやすくなります。これらのトレーニング(というより修行に近いかもしれません)を二本柱として、所謂、受験対策講座的なものにお金をつぎ込むことまでせず、最終的には何とか合格にこぎつけることができました。
と、まあいろいろと書いてきましたが、この紆余曲折を経た私から一つだけ確実に言えることは、英語力アップを真剣に目指す茅ヶ崎方式の学習者には国連英検は、間違いなくお勧めだということです(実用英検と比べると不当にマイナーな扱いを受けているのが実情ではありますが)。なぜなら茅ヶ崎方式の教材と国連英検のカバーしている内容がとてもよくオーバーラップしているので、受験対策をすればするほど結果茅ヶ崎方式の教材をより活用するという相乗効果があるからです。そしてそこから得られるものはとても多いと思います。ハードルは高いですが、結果にとらわれすぎず試験をエンジョイするぐらいの割り切った気持ちが大切ではないかと思います。私自身もそうしてきましたし、少なくとも継続は確実に自分にとって力になります。私の場合、試験対策で始めたトレーニングが長い間のうちに自分にとっての習慣になっていて、今はもはや試験とは関係なく、やらないと落ち着かないぐらいになっています。興味を持たれた方にはぜひ試してほしいと思います。
最後までお読みくださりありがとうございました。